横須賀美術協会の歩み(概略)

◎その第一歩

 1941年(昭和16)、横須賀に美術によって市民の文化向上を図ろうとする動きがありま

した。当時、軍による市民生活への統制が強まっていく中で、このような文化活動をお

こそうとすることは無謀とさえ思われていました。しかし敢えてこのことに挑戦した美

術家たちがいたのです。

 洋画、日本画、彫刻の、川口栄、佐々木雅人、三浦明鋹、長島善右エ門氏等10数名が

横須賀美術協会を結成し、その年第1回展を6月1日から5日までの五日間、市内のさいか

屋デパートで開催しました。横須賀での初めての大規模な美術展とあって大きな反響を

呼び、会期を二日間延長する盛況ぶりでした。第2回展には多数の一般公募作品から21

名が入選、会員の作品とともに陳列しました。

◎戦後の歩み

 1945年(昭和20)、戦後の打撃からいち早く立ち上がろうと、横須賀美術協会展再開が

始動し、翌年市内の新聞社を会場に、戦後第1回展を開催する運びとなりました。

 1948年(昭和23)には新たに、大道健治、九里保、杉本昌男、水野冨美夫氏等が参加、

この年から略称を「YB」とし「YB公募展」として開催されました。

 1952年(昭和27)の第12回展は商工会議所において開催され、一般出品者には、島田章

三、岡本健彦各氏の名前が記述されています。この年から、会員による小品展が開催さ

れるようになりました。

 1958年(昭和33)の第18回展は、さいか屋ギャラリーで開催し、市長賞他賞も多くなり、

一般公募は学生31名、米海軍基地から4名、全体で101名、137点の出品がありました。以

後市文化会館が建設されるまで、当会場で開催されました。

◎未来へ歩を重ねる

 第25回展~43回展は市文化会館展示ホールで開催され、この年から会友制度を導入。

野外美術教室、裸婦デッサン会、歳末助け合い展等の事業も活発になってきました。

 第44回展~58回展までは、はまゆう会館で開催され、第59回展で市文化会館市民ギャ

ラリーが開設されてからは、当会場で開催しています。

 1990年(平成2)には協会創立50周年を記念し『横須賀美術協会50年年史』を刊行。

 そして今、初代代表川口栄氏から受け継がれてきた「市民文化の向上を図る」という

精神の下、公募者を募り、優秀作品には各賞を授与し、会員・会友の研鑚の場としての

「YB公募展」は2018年で78回の開催を迎えることとなります。